August 2017
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 私の記憶装置は もう満杯に近く 壊れかけているような気がします
 ひとは臨終の時 過去の記憶が走馬燈のように次ぎ次ぎ現れ消える…と聞いたことがあります
 記憶をストックしている場所の鍵が壊れてしまった為に見えるものなのでしょうか…

 

 たった1時間前のことも 3才の時見たものも一緒の場所に保管しているので 同時に開けて視ることが出来ます

 今 目の前に見ている草を持って その整理が出来ていない倉庫に入ると その草にまつわるいくつもの記憶が みな目の前に並びます

 描きはじめると 辛かった記憶や泣くほどくやしかった経験 そして楽しかったことも同じように懐かしく身近かに感じます

 

 21才頃 好きだったひとが ある日「明るい陽射しの中の白いワンピースのひとが良い…」と云いました 当時私は白いワンピースを持っていませんでした

 

 その後 彼は急逝してしまい… 
 白いワンピースの映像は その後 ズーッと私の頭の中の倉庫に残っています

 
 

 偶然のチャンスで 突然「軽井沢レイクガーデン」(写真)の花を採って描くことになり
そこで個展をすることまで決まりました

 

 このバラが咲く庭で 美しいガーデナーに逢い 彼女が花を採ってくれています そのひとに「白いワンピース」を着て欲しいと思うようになり 60年の時間を越えて「白いワンピース」が出来上がりました


不二子

橋本不二子作品展 ~軽井沢レイクガーデンのバラたち~
会期:8月11日(祝)~27日(日) 場所:軽井沢レイクガーデン
詳細は作品展のページをご覧ください

PHOTO: amari