軽井沢だより

いつもマッサージで世話になっている志保ちゃんが
「不二子さん うちの垣根に黒い実があるのに気付いたんですけど・・・・」 
「えっ もしかするとエビヅルか? すぐ見に行きたい」 

 エビヅルか三角ヅルか不明だけど 小さな黒いブドウのような房を手に入れた私は大喜び・・・ 急いで活けてすぐ描き始めました

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 この小さな黒いブドウを眺めていて まず連想したのはブローチ  
黒いダイヤ(見たことはないけれど)でブドウの房を作り  金の枝と葉っぱをつけたら 
美しいブローチかペンダントになるなあ― 

 この実は紫色に黒やブルーも混ぜて光らせなければ・・・と絵を描き続けている途中
突然 鎌倉の自宅近くの空き地で はじめてこの小さなブドウを見付けた時の映像が現れました 
今は空き地は無くなり空色ペンキの家が建っています   

 と この時描いた小さなブドウの絵がみえてき それを買われた方の居間に映像は
移ります 絵の前に小さなチェストがあり その上にガラスで作ったブドウの木の置物が見えます
唐突に画面は小学生の私が歩いている逗子の街になり 銭湯入り口の壁にはめ込まれた
タイルに描かれているボタンの花の図案が現れ・・・銭湯というものが何なのか解らず
何度もその前を行き来していて そのボタンの花を秘密の呪文か 
その手がかりになるものなのか という気がしていたことを思い出しました

 

 正気に戻って また描き続けていると また私はWinterthurの街を市電に乗って走っています 歩道わきにある家のフェンスにぶどうの葉が茂り そこに大きなワインレッドや黒っぽいぶどうの房が沢山下がっているのが見えます 
もし子供の時にこの家に住んでいたらどんな夢を見たのかしら?

 今年 マーガレットと一緒に活けて描いた エゾカワラマツバをはじめて描いたのはFrauenfeld(スイスの街)だったなあ―と思い出し「エゾカワラマツバ」という名前のシールをはがすと下に「蝦夷河原松葉」またそのシールを取ると
「Wiesen-Labkraut」というシールが頭の中に浮かび上がります

 Frauenfeldにある修道院の窓の下に咲いていたピンクの小さな花「魔女の爪」の映像が現れます そう云えば今年この花描くの忘れていたなぁ― と次ぎ次ぎ描き落とした花が その季節をもう一度やり直したいという悔やみになって私を責めます 恋した人の思い出まで見えて 切なくなり慌ててチョコレートを口に入れ  冷蔵庫を開けて冷たい緑茶を飲みました

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 10月15日から丸善で開催する個展会場に並ぶ絵は 静かに無口ですが 
この絵を描いていた4ヶ月の間 私の頭の中は時空を越えてあちこちを飛び廻っていたのです
この展覧会が終わったら 私はまた旅に出たい と考えています

 寝椅子に寝転がった儘の旅なのか 本当にどこかに行くのか解らないけれど・・・
どこかまだ知らない所に行ってみたいと 思っています その為この「軽井沢便り」は来年3月まで休ませて頂きたいと存じております ありがとうございました(2008.10.1)



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更新:2008年10月1日

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