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2009.10idx

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  Last Updated: 2009.10.1.

《Thanksgiving》
Letters from Farms

あなたへ

 軽井沢は樹々の葉が紅や黄色になりはじめています。
いかがお過ごしでしょうか。

 私は10月16日から始まる個展(丸善丸の内本店)の為の制作を終え 絵を額装に出してしまったので、今はシーズンオフの期間です。 そして個展の賑やかな8日間の後、私にとっての1年が終わります。

 毎日絵を描くことに追われていた時期、夜電気を消すと、ほの暗い中
私の存在も不確かなものになり 《本当に今日絵を描いたのか?》 《お前が絵を描いて生計を立てているというのは本当なのか》 と繰り返し自問しました。 私が絵描きであることが信じられなくなるのです。

 絵を描いている時や、人と一緒にいてお喋りを楽しんだり食事をしている時は存在の実感があるのに・・・ひとり座っていると、私の存在そのものも闇の中に消えていくのか、それとも宙に浮き上がって行ってしまうのか・・・と感じます。ですから寝ようとしていたのに、また電気をつけて、今日描き上げた絵を眺めたりしました。

 あなたには信じて頂けないかもしれないけれど、今日昼間、私が描いたはずの絵は、夜になるともう私に対してよそよそしい態度になり、私を突き放すのです。 《わたしは勝手に独り歩きをはじめたからお前にはもう何の関りもない》

 次の朝、絵はすっかり他人になっています。夜の間にブルブルッと身震いをしてから、ストーンと力を抜いて、作者の不手際で引きつっていた所などは自分勝手に直してしまうのです。

 額装屋さんのワゴン車に乗せられていってしまう彼らを見送りながら無事を念じました。彼らが私の所に戻ってくることはないのですから・・・・

 時間の隙間をお開けになって、丸善の個展会場にお出かけいただけましたら幸いでございます。

不二子 


《展覧会》

 今年はアクリル画のシリーズでスタートしました。

 麻布のキャンバスに描くのは50年振り、アクリル絵の具で描くのは
初めての経験です。16点描いた後、水彩に戻り、例年のように花や果実を描きながら野菜のシリーズも試みました。

 農家の庭に咲く百日草、ダリヤやヒマワリは、今まで色が強すぎるので敬遠していましたが、これもはじめてシリーズで描いています。

 案内状に書いた言葉は

足早に走り去る時間
花咲く日を待ちかねていたのに
華やかな日は幾日で また静かな日々に戻る庭
過ぎる時間を惜しむ切なさ
ひと恋しい切なさ
切なさだけを切り取って、紙の上に残したいと思いながら
それをつかむことも出来ず今年も描き続けました

 

 

atarashiie

 

 

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