February 2017
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 冬の季節がはじまったころ 花のないこの時期を どの様に過ごしたらよいのかと 暗い気分に落ち込んでいました
 ところが偶然の幸運に恵まれ 東京近郊で木の枝やバラ、野の花を育てている方を 私の友人が紹介してくれたのです
 その庭で採った枝や草花を毎週送って頂くことになりました

 
 

 この十数年は軽井沢の植物 そして長い冬の間は花屋さんの花を描いていたので送られて来る草花は 戸惑うほどに新鮮でした 子供のころ 逗子の家で馴染みだったものや鎌倉の住まいで育てていたものなどを思い出します
 突然 時計は巻き戻されて 現実の自宅で その窓の外に広がる寒冷地の茶色と黒い景色 そしてその次は真白な雪を眺めながら 私の内側は遠くに過ぎ去っていた湘南の風景を見続けているのです

 
 
 

 久し振りに再会した「ネズミモチ」の枝は小学四年生まで住んでいた逗子の家に連れて行ってくれました 海岸近くの庭は砂地で松林とネズミモチがありました ご近所の広い芝生の庭に美しいモミジなどがあるお宅を羨み 当時の私は「ネズミモチ」の庭に引け目を感じていました
 でも だんだん食べる物が無い時代となり「ネズミモチ」はママゴトのブドウになり これは私の密かな贅沢でした

 
 
 

 今 新しい感覚で シリーズ「庭の草花を」を描いています

不二子