Octorber 2014
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10月は1年間準備をしてきた丸の内での個展があり 私の1年は10月末で終わり お正月を待たずに11月から新しい1年がまた始まります

今年のテーマは《Holding My Ground》と個展案内状に書きました
様々な意味で自分の立場をハッキリとしたいと感じた1年でした
(《Hold one's ground》は慣用句で「しっかり大地に足を据える」
「自分の立場を堅持する」 「一歩も引かない」)

絵を描きながら思い続けた事は「今日描いている絵は本当にこれで良いのか?」
「良い作品と思われたいという考えや 思いつきが混じっていないか?」
「今までの経験に寄りかかって安易にその繰り返しをしてはいないか?」
そして「自分自身が感じる感覚との間に違和感は無いのか?」
《考えること》と《感じること》を区別することは意外に難しく 混同してしまうことがよくあります
絵を描くときは特に注意して 本当に自分が感じていることだけを注視したいと思っています

今 私は何に惹かれているいるのか?
なだらかな起伏のある斜面が続く広い草原は大好きな風景です でもこれを描きたいと思うことはなく その中に見つけたネコジャラシの一株に目は止まります

好きでよく見ているインテリア関連の雑誌では白い室内がやはり好きです
白く塗られた石の建物も大好きだけれど その全体よりも汚れた石段の強い影をひいた3段位の狭い部分に惹きつけられます

ある日 車で走っていると 広い駐車場の奥に 丈の高いネコジャラシの群生を見つけました
そのネコジャラシの隣に咲いていた一株の白いコスモスとやはりそのすぐ近くに茂っていたウイキョウ(フェンネル)と一緒に取ってきて活け 広い原っぱの記憶を心の中に眺めながら一枚の絵を描きました

どの絵にも描いていない背景があり 私自身の内側にはなつかしいストーリーの記憶があります

不二子

 

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
PHOTO : YANO NAOTAKA