August 2014
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私は 幼児期から "ひとりぼっち"と感じることが 多かったように思います
"孤独""疎外感"という言葉は知らなかったけれど どうしたらこの感覚からのがれることが出来るのか・・・いろいろな事を思いついてはそれを試していたようです
絵を描く事もその一つです
描く事は 私の中のもうひとりの私と親しく話し一緒に遊ぶことです
私の頭は 描いてみたいテーマを思いつき その完成図を妄想します
そして頭は早くそれを見たくなり 手にこれを実行するようにと要求します
手は「そんなの難しい」「面倒くさい」とか「たぶんうまくは行かない・・・」
などと云い 体は寝椅子に転がっていて 描きはじめる事を渋ることがよくあります

描いている間 頭と手は仲良く協力したり 思い通りに働かない手を頭がなじったりします
細かい作業に手が疲れてきて「やめたい」と云うと頭は「我慢して続けろ!辛抱 辛抱!」と云い続けます

絵が完成すると それをずっと外側から眺めていたもうひとりの私が その出来を採点し 気に入れば 私と頭と体と手は満足を分かち合うことができるのです
でもこの幸せは永続きせず 頭はまた新しい遊びを探します
小学校低学年の頃は 手がまだ上手に使えなかったので 頭は体に話をしていました
夕方 友達と別れた後"ひとりぼっち"になった頭は「チョット海岸の雲の色がどうなっているか見に行こうよ」 体は「お腹が空いたからもう家に帰る」 頭「・・・」
人生はよく道に例えられるけど 私の頭と手は ずっと饒舌に話し合いながら長い道を
歩いてきたように思います
明日は まだ行ったことがない知らない道を走ってみたい・・・
不二子
 

 

 
 
 
 
 
 
 
PHOTO : YANO NAOTAKA